芸術家イサクのお話。
【解説】
映画館で映画を鑑賞しんでいる最中に、
その作品の監督がスクリーンの前にしゃしゃりでて
映画の見所や制作秘話を語りだしたら
「帰れ」ってポップコーン投げつける。
自分が自分の作品について前に出てくるのは
必ずしも悪いことじゃない。
でも、作品の良さを味わう時に、
これはこういうテーマだよって口出しをして、
邪魔に感じるようなことはしたくない。
特に子供に対してはそう。
あまりに説明を加えすぎて、
「どう感じるか」って自発的に芽生えた感情の方向性が
限定されていくような気がする。
そういう時には、作者はすっと一歩後ろに引く。
こういう姿勢は大事だと思う。
アーティストが好きだって人はその人のアルバム全部買うけど、
「この曲が好き」って人は、アーティストの人となりはどうでもよくて、
シングル一枚買ってそれで満足って場合がある。
そういう人に、「この作品も聴くべきだ」なんて押し売りすれば
かえって離れてしまうかもしれない。
ケースバイケース。
私はキリスト教を信仰していて、
たくさんの人にキリストを知ってほしいと願うが
その熱心さが、時に誰かがキリストを知るための障害物(さまたげ)になることがある。
自分の知っている知識の中からキリストを伝えようとしすぎて
かえてキリストというそのまま人物に感動できなくなる。
やっぱり、ケースバイケースなんだ。